本日は、占星術のサビアンシンボル「10度」について考えてみたいと思います。
松村先生によると、10度は「外と関わる」という数字のようです。
サビアンシンボルとは?
まず、最初にサビアンシンボルについて説明します。
サビアンシンボルとは、簡単に言うと、1つの星座を30等分し、1度づつの意味を出したものです。
たとえば…
- 牡羊座1度…「女性が水から上がり、アザラシも上がり彼女を抱く」
- 牡羊座2度…「グループを楽しませているコメディアン」
- 牡羊座3度…「彼の祖国の形をした男の横顔の浮き彫り」
…など
牡羊座~魚座まで「合計360個」の意味が出てきます。
星座(サイン)の10度は、外界にプレゼンする!?
今回、考察するのは、サビアンシンボルで10度にあたるシンボルです。
サビアンシンボル10度 | |
---|---|
牡羊座10度 | 古い象徴に対して新しい形を教える男 |
牡牛座10度 | 赤十字の看護婦 |
双子座10度 | 落下する飛行機 |
蟹座10度 | 完全にカットされていない大きなダイヤモンド |
獅子座10度 | 早朝の露 |
乙女座10度 | 影の向こうを覗く2つの頭 |
天秤座10度 | 危険な流れを抜け安全な場所にたどり着いたカヌー |
蠍座10度 | 親睦夕食会 |
射手座10度 | 金髪の幸運の女神 |
山羊座10度 | 手から餌をもらうアホウドリ |
水瓶座10度 | 一時的だと証明される人気 |
魚座10度 | 雲の上の飛行家 |
10度は「外に働きかける」!?
松村潔先生の「ディグリー占星術」によると、10度は「外と関わる」となります。
10度は1~9までで完成させたものを外界にプレゼンします。
外との関わりが、この10度から始まってくるわけです。
松村先生は
…と述べられています。
つまり、10度では、1~9までをまとめて、統合化し、明確な方針として、外に対してアピールする役割があるというわけです。
サビアンシンボル「10度」各サインの意味
では、松村先生の「愛蔵版 サビアン占星術」を参考にさせていただきながら、
シンボルの意味をまとめてみます。
牡羊座10度「古い象徴に対して新しい形を教える男」
世界を支配している法則について、自分なりの見解を加え、人に教え伝えてゆく
松村先生によると、牡羊座の第二グループ(6度~10度)は、
- 抽象的な概念
- 宇宙的な原理
- 世界を根底から動かしている法則
などを知るグループとの事です。
牡羊座は、8度「東に向いてなびいているリボンをつけた大きな帽子」で、世の中を動かす「根本的な法則」を敏感に察知しました。
9度「水晶を見つめる人」では、自分の置かれた状況を大きな視点から観察し、事態を全体的に把握しました。
牡羊座10度「古い象徴に対して新しい形を教える男」では、観察した全体像を心に留めておくのではなく、自分なりの見解を加え、人に教え伝えてゆきます。
世界は5つの元素でできているなど…原理的な宇宙法則を把握した牡羊座9度は、10度になるとそれに新しい解釈を加え、外に打ちだしてゆきたくなるわけです。
牡牛座10度「赤十字の看護婦」
自分の幸せを壊さない範囲で、他者に対し惜しみない協力をする
松村先生によると、牡牛座の第二グループ(6度~10度)は、「他の人との違いを乗り越えて互いを理解する」グループです。
牡牛座は、7度「サマリアの女」で、他人との違い(金銭的豊かさ、家系、地位、才能)などに直面し、差別を感じました。
8度「雪といっしょにないソリ」では、そういう状況に対する対応策をあらかじめ考え、その準備をしておきました。
牡牛座9度「飾られたクリスマスツリー」では、将来に備え対応策を準備することから更に進み、自己の幸福の維持を図ります。
このように、自分の幸福を維持できた人は、牡牛座10度「赤十字の看護婦」で、立場の安定と逃げ場を確保した上で、他者に対して惜しみない協力をすることになります。
ただし、自分の幸せを確保して、はじめて人に貢献できるというのが牡牛座らしさです。
良い意味で、自分の幸せを壊さない範囲で人に献身的になれる人と言えます。
松村先生は
- 牡牛座は自分の身体や実生活の安定を目指すサインなので、自分を投げ出してまで人を助けることはしませんし、してはなりません。
- 自分自身が満足な結果を手にしないうちは、協力しようとしても共倒れになり、それではなんら建設的な結果を残せません。
…とおっしゃっています。
双子座10度「落下する飛行機」
抽象的なことを具体的(地上的)に応用する力。ターゲット攻略など。
双子座は、第1グループ(1度~5度)で、自分の知性や能力を発展させ強めてゆきました。
第2グループ(6度~10度)では、その知性を秩序立てて行使してゆきます。そのため「策略」などを凝らすことも多くなるかもしれません。
双子座は、6度「油田の掘削」で生存競争をした結果、7度「時代遅れの井戸」では、資本家と労働者のような落差が生まれました。
そして、8度「産業労働者のストライキ」では、その落差を覆し、9度「矢で満たされた矢筒」では、既存の社会的な常識に動かされるのではなく、独自の意志力と実行力を開発しようとします。
双子座10度「落下する飛行機」では、この意志力を使い、実際的な行動をしてゆきます。
目標に向かって飛んだ「矢」は、地上に向けて急降下してきます。
松村先生は
…とおっしゃっています。
精神性ではなく、具体的な行動…例えば「ターゲットを攻略する」などの行動になってゆくようです。
この度数の方は、限界を突破するとか、ムリなことに挑戦することも多くなるでしょう。
また、自分の優れたところを、他に対してショーアップしようとする傾向もあるようです。

タレントの坂上忍さんが、このサビアンをお持ちですね。
たしかに「ショーマンシップに優れている」と感じます。
蟹座10度「完全にカットされていない大きなダイヤモンド」
柔らかい感受性を、言葉で表現し、はっきりとした意思表示できるものへと鍛錬する
松村先生によると、蟹座の第1グループ(1度~5度)は、「集団の価値観に個人を捨てて同一化する」ことでした。
そして、蟹座の第2グループ(6度~10度)は、「他を育てるやさしい本能や豊かな感情を育成する」グループとなります。
蟹座は、6度「巣を作る猟鳥」では、親しい人と過ごすための安定した拠点を作り、7度「月明かりの夜の2人の妖精」では、そこから反発して外に出たいと言う心の落差がでてきました。
そして、8度「服を着てパレードするウサギたち」では、そんな自分の中の暴れる心を洗練させ、紳士淑女的な資質を身につけようとし、9度「水の中の魚へと手を伸ばす小さな裸の少女」では、親しい人の心を理解するため、相手と同化しようとしました。
しかし、9度「水の中の魚へと手を伸ばす小さな裸の少女」は、繊細で内的な交流であり、自分の気持ちを言葉にして表現することはできませんでした。
蟹座10度「完全にカットされていない大きなダイヤモンド」では、そんな言葉で言い表せない自分の気持ちを、言葉で表現し、相手に伝えるよう努力してゆきます。
松村先生は
…とおっしゃっています。
獅子座10度「早朝の露」
自分の目が及ぶ範囲全てに創造的な働きかけをしてゆく
獅子座は、第1グル-プ(1度~5度)で内面の火の力を活性化させ、そして、それが暴走するほど強くなってゆきました。
第2グル-プ(6度~10度)では、火の力を内向させ、創造的な力をためこんでゆくことになります。
獅子座は、6度「時代遅れの女と最先端の少女」で、自分と世間の間に認識のギャップがあることに気づき、 獅子座7度「空の星座」では、世間の価値観に振り回されず、永遠の価値がある生き方をしようとしました。
そして、8度「ボルシェビキプロパガンダを広める人」で、古い概念を壊そうとし、9度「ガラス吹き」では、壊したものを新しく作り直そうとします。
獅子座10度「早朝の露」では、それをもっと広い範囲で実践しようとします。
朝露は全てのものを濡らします。
このサビアンシンボルの方は、自分の目が及ぶ範囲全てに、創造的な働きかけを広げてゆくことになります。
自分の生活の全てを新しく作り変えてゆくことでしょう。
また、人に対しても働きかけ、その人の気持ちや感情を動かすことにもなってゆくようです。
松村先生は
…とおっしゃっています。
マリンスポーツをしたり、ペットを飼ったり、オリジナルの服を作ったり…とにかく色々なことを楽しめる人です。
まるで慈父や慈母のように、あらゆる物、人、動物に愛情を注げる人が多いです。
乙女座10度「影の向こうを覗く2つの頭」
自分の限界を超えムリをしようとすると、何らかの怖い体験をして臆病になる
乙女座は、第1グループ(1度~5度)で「明晰な視点・明晰な知性」を開発してきました。
続く第2グループ(6度~10度)では、感情や知性の表現の幅を広げてゆきます。
乙女座は、7度「ハーレム」で、ハーレムのように支配する側・される側のような落差がでてきて、誰かに依存することもありました。
8度「最初のダンスの練習」では、自分の楽しみ(躍動感)を追求するのに他に依存せず、一人で自発的に盛り上げるコツをつかもうとしました。
そして、9度「未来派の絵を描く男」では、もっと「飛びたい」と思うようになり、ありきたりのものを嫌い、他人よりも突出した個性を表現しようとしました。
乙女座10度「影の向こうを覗く2つの頭」では、自分の限界を超え、実力を超えてムリをすることにより、何らかの障害が生じてくることになります。
たとえば、あまりに究極の原理を追求しようとして、自分自身の意識がやばい状態になるとか、あるいは、普通の社会生活を営むことが困難になるとかです。
あまりに究極のことを追い求めると、実生活とのギャップが激しくなり、家族を含め人間関係が悪化する可能性もあります。
松村先生は
…とおっしゃっています。
その結果、自分の目に入る内輪の領域を完全な形で管理しようとする流れになるようです。

自身の限界を超えようとして、実力を超えて無理をすることもあります。
チャレンジ精神がありますが、そのチャレンジによって、ハードな状況が訪れたり、犠牲になることも出て来ます。
そう感じた時は、ムリせず元の世界に戻ってきましょう。
このシンボルの人は、チャレンジして、自分の世界を大きく広げる力を持っています。
ですが、もし危険を察知した場合、ちゃんと安全地帯に戻る「危機管理能力」のある人でもあります。
天秤座10度「危険な流れを抜け安全な場所にたどり着いたカヌー」
自分の体験や考えを、思い入れなくまとめて、冷静な判断力を手に入れる
天秤座は、第1グループ(1度~5度)で自分の個性を確立し、他人との関係性に身を委ねてきました。
他人との関係性に身を委ねた結果、第2グループ(6度~10度)では、反動や妨害などを体験することになります。しかし、それを克服することにより、公平で感情の動揺の少ない人格を形成します。
天秤座は、6度「男の理想が多くの結晶に変わる」で、自分の意志がそのまま周囲に伝えられ、すぐさま反応が生じるようになりました。つまり、願望が形になってゆくようになったわけです。
しかし、7度「ヒヨコに餌をやり、鷹から守る女」では、守りの姿勢が出て来ます。自分の願望が実現すると、そこに執着が生まれるのです。
そのため、その執着を壊す「反動」や「妨害」が外部からやってきて、家は荒廃してしまいました。
そして、8度「荒廃した家の中で燃え盛る暖炉」では、自分の願望が挫折しても、もう一度チャレンジすれば、再び燃え上がるような経験をできることがわかりました。
9度「アートギャラリーに掛けられた3人の巨匠」で、天秤座は、他の人はこういう難局をどう乗り越えたのかを参考にしたくなり、人生の苦難の乗り越え方について、過去の人々がどう解決したかを読んだり、聞いたりして参考にしました。
天秤座10度「危険な流れを抜け安全な場所にたどり着いたカヌー」では、自分の困難な体験を大きな視点から客観視します。
そして、自分の体験や考えを思い入れなくまとめて、冷静な判断力を手に入れます。
松村先生は
天秤座6度から10度までのプロセスは、自分の願望からものを見るという偏屈さを手放して、客観的な感性を学ぶ「訓練課程」だったのです。
…とおっしゃっています。
蠍座10度「親睦夕食会」
自立した人どうしが、自主的に結びつき、信頼関係を結ぶ
蠍座は、第1グループ(1度~5度)で自分と他人を隔てる壁を破り深い交流をしようとしました。
第2グループ(6度~10度)では、どんな現実の壁も限界を越えて突破しようとします。
蠍座は、9度「歯科の仕事」では…
- 6度「ゴールドラッシュ」の飛び込む力
- 7度「深海潜水夫」の深層に入り込む力
- 8度「湖面を横ぎって輝く月」の精密な観察力
これらの力を総合し、いかなる壁を打ち破ってでも、必要なことを果敢に果たそうとしました。
蠍座10度「親睦夕食会」では、このような高い壁を乗り越えた人達との結びつきが生まれ、真の親交が始まります。
松村先生は
…とおっしゃっています。
この度数は、自立した人どうしが、自主的に結びつき、信頼関係を結ぶと言う意味を持つようです。
射手座10度「金髪の幸運の女神」
自身の高度な精神的体験を大げさに、劇的に表現しようとする。
射手座は第1グループ(1度~5度)で戦闘意欲やチャレンジ力を培いました。
第2グループ(6度~10度)では、極限にまで精神性を高めてゆきます。
射手座は、8度「岩やその内部で形成されているもの」で今までのスタイルが壊れ、何か新しいエネルギーが自分自身の内面に形成されつつあるのを感じました。
9度「階段で子供たちを連れている母親」では、なんらかの助けを借りて、自分一人では決して得られないような成果や境地を得ることになりました。
射手座10度「金髪の幸運の女神」では、9度で得た体験を、誇張気味に表現し、皆の気持ちを煽ります。
松村先生は
…とおっしゃっています。
山羊座10度「手から餌をもらうアホウドリ」
異質な人々や異質な文化へと交流の幅を広げて行く
山羊座は第1グループ(1度~5度)で、共同体の中に同化し、実務的な力を発揮しようとしました。
第2グループ(6度~10度)では、共同体の結束を固めるために奉仕することになります。
山羊座は、8度「幸せそうに歌う家の中の鳥」で、自分の属する社会に適応してゆきました。
そして、9度「ハープを運ぶ天使」では、目に見えない環境のリズムにシンクロして行きました。
山羊座10度「手から餌をもらうアホウドリ」では、異質な世界へと交流の幅を広げて行きます。
松村先生は
- 「アホウドリという人間でない生き物が人と関わろうとする勇気ある行動を意味する」
- 「山羊座は社会的な広がりを必要とするので、見知らぬ人に対しても思い切って意志疎通する姿勢を鍛えなくてはならない」
…とおっしゃっています。
この度数の方は、自分がいる共同体とは違う環境に接点を持ち、共同体を広げて行こうとします。
異なる文化や習慣に生きている異質な人々と交流しようとする勇気を持っているようです。
水瓶座10度「一時的だと証明される人気」
社会のいかなる役割にも同化することをヤメて、空白・無色になる
水瓶座は、第一グループ(1度~5度)では、旧社会からドロップアウトし、理想の社会を追求しました。
第二グループ(6度~10度)では、水瓶座らしいグローバルな自分を構築してゆきます。
水瓶座は、8度「美しい衣装を着た蝋人形」で、自分自身をバーチャル化(仮想現実化)して、感情を排した、論理的・人工的な自分を作り上げました。
そして、9度「鷹に変化する旗」では、その論理的・人工的な考えを行動として実践してゆきました。
しかし、水瓶座10度「一時的だと証明される人気」では、そんな試みも捨て去り、空白・無色になります。
社会のいかなる役割にも同化することをやめるので、世捨て人的な生き方になる可能性があります。
松村先生は
…とおっしゃっています。
また、「水瓶座は特定のテーマや役割にこだわることはやめて手放そうとします。名前も役割も存在しない個人に戻るのです。~特定の影響力につかまるのがイヤだからです。」
…ともおっしゃっています。
魚座10度「雲の上の飛行家」
謎の多い、実体がつかめない人
魚座は、第1グループ(1度~5度)で、あらゆる「こだわり」や、「価値観の境界線」を壊してゆきました。
第2グループ(6度~10度)では、「物質が支配する」という価値観から、「目に見えないものが支配する」という価値観に逆転が起こります。
魚座は、6度「正装して行進している将校たち」で、何か大きな意義のあることに奉仕したいと思い、8度「ラッパを吹く少女」では、外の力ではなく、自発的に自分を煽り、何か大きな意義のあることに飛び込んでゆこうとしました。
そして、9度「騎手」では、実際に、思い切って全身をかけて対象に飛び込んで行きました。
今回の、魚座10度「雲の上の飛行家」では、飛び込んでいった対象に自分の一部が同化します。
松村先生は
…とおっしゃっています。
その結果、この度数の人は、凡庸ではない、雲上人のような雰囲気を漂わせる人になります。
霊的なものと接触し、スピリチュアル・リーダーのようなものになる人もいるでしょう。
はたから見ると謎の多い、実体がつかめない人となる可能性があります。

日常に対して「超越的な位置」を保つことができる人なので、多くの人に役立つアドバイスができそうです。
占い、カウンセラー、アドバイザーだけでなく、アートや神秘の世界などでも、力を発揮するかもしれません。
まとめ
…と言うわけで、ホロスコープの10度は、「外と関わる」です。

この記事は、松村潔先生の本を参考にさせて頂いてます。
- 度数の意味は「ディグリー占星術」
- サビアンシンボルの意味は「愛蔵版 サビアン占星術」
…がオススメです。
※どちらも占星術「中級者」向けです。

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