本日は、占星術のサビアンシンボル「8度」について考えてみたいと思います。
松村先生によると、8度は「落差を超越する」という数字のようです。
サビアンシンボルとは?
まず、最初にサビアンシンボルについて説明します。
サビアンシンボルとは、簡単に言うと、1つの星座を30等分し、1度づつの意味を出したものです。
たとえば…
- 牡羊座1度…「女性が水から上がり、アザラシも上がり彼女を抱く」
- 牡羊座2度…「グループを楽しませているコメディアン」
- 牡羊座3度…「彼の祖国の形をした男の横顔の浮き彫り」
…など
牡羊座~魚座まで「合計360個」の意味が出てきます。
星座(サイン)の8度は「落差を超越」!?
今回、考察するのは、サビアンシンボルで8度にあたるシンボルです。
サビアンシンボル8度 | |
---|---|
牡羊座8度 | 東に向いてなびいているリボンをつけた大きな帽子 |
牡牛座8度 | 雪といっしょにないソリ |
双子座8度 | 産業労働者のストライキ |
蟹座8度 | 服を着てパレードするウサギたち |
獅子座8度 | ボルシェビキプロパガンダを広める人 |
乙女座8度 | 最初のダンスの練習 |
天秤座8度 | 荒廃した家の中で燃え盛る暖炉 |
蠍座8度 | 湖面を横ぎって輝く月 |
射手座8度 | 岩やその内部で形成されているもの |
山羊座8度 | 幸せそうに歌う家の中の鳥 |
水瓶座8度 | 美しい衣装を着た蝋人形 |
魚座8度 | ラッパを吹く少女 |
落差を超越し、不利な状況を有利に変換する
松村潔先生の「ディグリー占星術」によると、8度は「落差を超越する」となります。
7度では、自分と環境との間、あるいは他人との間に落差を感じ、それが活動への意欲となりました。
8度では、その落差を超越し、不利な状況を有利に変換します。
松村先生は
…と述べています。
簡単に言うと、「次元が一つ上がる」と言う感じでしょうか?
今までのやり方を超越すると言うことなのだと思います。
サビアンシンボル「8度」各サインの意味
では、松村先生の「愛蔵版 サビアン占星術」を参考にさせていただきながら、
シンボルの意味をまとめてみます。
牡羊座8度「東に向いてなびいているリボンをつけた大きな帽子」
世の中を動かす「根本的な法則」を敏感に察知する
松村先生によると、牡羊座の第二グループ(6度~10度)は、
- 抽象的な概念
- 宇宙的な原理
- 世界を根底から動かしている法則
などを知るグループのようです。
牡羊座は、6度「一辺が明るく照らされた四角」で環境に組み込まれ、活動のキッカケをつかみました。
また、7度「二つの領域で同時に自己表現することに成功する男」では、光と闇、善と悪などの対立した概念がクローズアップされ、うねりの大きい人生になりました。
牡羊座8度では、世の中を動かす「風」を観測します。風になびいているリボンは、敏感に働くアンテナを表しています。
この度数の方は、世の中を動かす「根本的な法則」を敏感に察知します。
場の雰囲気などを察知する感受性(アンテナ)を持っていることが多いようです。
牡牛座8度「雪といっしょにないソリ」
将来必要なものを用意周到に準備する
松村先生によると、牡牛座の第二グループ(6度~10度)は、「他の人との違いを乗り越えて互いを理解する」グループのようです。
牡牛座は、6度「渓谷にかけられる建設中の橋」で、自分とまったく違う資質を持った他人と意志疎通をしてゆきました。
7度「サマリアの女」では、他人との違い(金銭的豊かさ、家系、地位、才能)などに直面し、差別を感じます。
牡牛座8度「雪といっしょにないソリ」では、そういう状況に対する対応策をあらかじめ考え、準備をしておきます。
雪が降ってもいない段階で、既にソリを用意しているのが、「雪といっしょにないソリ」です。
将来必要なものを用意周到に準備するわけです。
この度数の方は「先見の明」や「防衛力」があります。
双子座8度「産業労働者のストライキ」
上下関係や優劣関係などの落差を覆す
双子座は、第1グループ(1度~5度)で、自分の知性や能力を発展させ強めてゆきました。
第2グループ(6度~10度)では、その知性を秩序立てて行使してゆきます。そのため策略などを凝らすことも多くなるかもしれません。
双子座は、6度「油田の掘削」で生存競争をした結果、7度「時代遅れの井戸」では、資本家と労働者のような落差が生まれました。
双子座8度「産業労働者のストライキ」では、その落差を覆します。
この度数では、上下関係や優劣関係などをひっくり返し、自分の立場の自由を追求する「下剋上」のような動きが出て来ます。
蟹座8度「服を着てパレードするウサギたち」
自分の中の暴れる心を洗練させ、紳士淑女的な資質を身につけようとする
松村先生によると、蟹座の第二グループ(6度~10度)は、「他を育てるやさしい本能や豊かな感情を育成する」グループのようです。
蟹座は、6度「巣を作る猟鳥」で愛する人と過ごすための安定した拠点を作り、蟹座7度「月明かりの夜の2人の妖精」ではそこから反発して外に出たいと言う心の落差がでてきました。
また、蟹座7度「月明かりの夜の2人の妖精」では、妖精のように奔放なところがありました。
しかし、蟹座8度「服を着てパレードするウサギたち」では、そんな気ままな生き方は落ち着いてきます。
松村先生は「自分の中の暴れる心を、より洗練された活動へと昇華するために、手本となる人を模倣して、紳士淑女的な資質を身につけようとします。」とおっしゃっています。
獅子座8度「ボルシェビキプロパガンダを広める人」
自分自身の中に巣食っている古い概念を壊そうとする
獅子座は、第1グル-プ(1度~5度)で内面の火の力を活性化させ、そして、それが暴走するほど強くなってゆきました。
第2グル-プ(6度~10度)では、火の力を内向させ、創造的な力をためこんでゆくことになります。
獅子座6度「時代遅れの女と最先端の少女」では、自分と世間の間に認識のギャップがあることに気づき、 7度「空の星座」では、世間の価値観に振り回されず、永遠の価値がある生き方をしようとしました。
獅子座8度「ボルシェビキプロパガンダを広める人」では、世間の価値観や常識を壊そうとします。出来合いのものを破壊したくなるのです。
しかし、松村先生は「本当は、自分自身の中に巣食っている古い概念を壊そうとする」とおしゃっています。
乙女座8度「最初のダンスの練習」
自分の躍動感を追求するのに、他者に頼らず、主体性をもって一人で練習する。
乙女座は、第1グループ(1度~5度)で「明晰な視点・明晰な知性」を開発してきました。
続く第2グループでは、感情や知性の表現の幅を広げてゆきます。
乙女座7度「ハーレム」では、ハーレムのように、支配する側・される側のような落差がでてきて、誰かに依存することもありました。
しかし、これは自由のない状況です。
そこで、乙女座8度「最初のダンスの練習」では、自分の楽しみ(躍動感)を追求するのに、他に依存しないことにしました。
一人で自発的に、それを盛り上げるコツをつかもうと練習します。
松村先生は「舞踏などもそうした目的には効果的で、芸事全体に良い発展がある」とおっしゃっています。
天秤座8度「荒廃した家の中で燃え盛る暖炉」
願望が挫折したとしても、再度チャレンジし、再び燃え上がるような経験をする
天秤座は、第1グループで自分の個性を確立し、他人との関係性に身を委ねてきました。
他者と自分との間に壁をなくしたわけです。
そのため、天秤座6度「男の理想が多くの結晶に変わる」では、自分の意志がそのまま周囲に伝えられ、すぐさま反応が生じるようになりました。つまり、願望が形になってゆくようになったわけです。
しかし、そうなると、天秤座7度「ヒヨコに餌をやり、鷹から守る女」では、守りの姿勢が出て来ます。自分の願望が実現すると、そこに執着が生まれるというわけです。
そのため、天秤座7度では、自分の願望が実現することによって生まれた執着を壊す「反動」や「妨害」が外部からやってきました。
その結果、家は荒廃してしまいました。
人は願望が実現すると、それがそのまま続くものだと考えるので、少しの反動でも傷つけられ、簡単に手を離してしまいます。しかし、反動として否定的な力がやってくることが当然の現象としてわかっていれば、それを放置したままでなく、何らかのアクションを起こします。
…以上は、松村先生の話を要約したものです。
天秤座8度「荒廃した家の中で燃え盛る暖炉」では、自分の願望が挫折したとしても、もう一度チャレンジすれば、再び燃え上がるような経験をします。
荒廃した家の中では、暖炉が明々と燃え、主人の帰りを待っています。
あきらめず再びチャレンジすれば、いくらでも成功への道があるのです。
蠍座8度「湖面を横ぎって輝く月」
心を無にすれば、居ながらにしてメッセージを受け取る
蠍座は、第1グループ(1度~5度)で自分と他人を隔てる壁を破り深い交流をしようとしました。
第2グループ(6度~10度)では、壁の限界を突破しようとします。
蠍座は、7度「深海潜水夫」で、何らかのインスピレーションを得るために、深層意識に潜ってゆきました。
しかし、そこは大きな圧力があり、とても大変な世界でした。
そこで、蠍座8度「湖面を横ぎって輝く月」では、インスピレーションを自分の心に映して得るようになります。
心を無にすれば、居ながらにしてメッセージを受け取ることができるのです。
松村先生は「この度数の方は、心を静かにして浮かび上がって来るものを待つことで、さまざまな真実をつかむことができる人です」とおっしゃっています。
射手座8度「岩やその内部で形成されているもの」
今までのスタイルが壊れ、新しいスタイルが生まれてくる
射手座は第1グループ(1度~5度)で戦闘意欲やチャレンジ力を培いました。
第2グループ(6度~10度)では、極限にまで精神性を高めてゆきます。
射手座は、7度「ドアをノックするキューピッド」で、人に言えないようなこと、秩序を乱すようなことにも目を向け、集団の規律から脱落しました。
射手座8度は、そのことで、何か新しいエネルギーが自分自身の内面に形成されてきつつあるのを感じます。
これは、今までのスタイルが壊れ、新しいスタイルが生まれてくる過程なのです。
松村先生は「衝動に従って一見よからぬことをしてしまうのですが、しかし、これが新しい自我を作るのに貢献します。」とおっしゃっています。
山羊座8度「幸せそうに歌う家の中の鳥」
自分の属する社会や組織に適応・順応する
山羊座は第1グループ(1度~5度)で、共同体の中に同化し、実務的な力を発揮しようとしました。
第2グループ(6度~10度)では、共同体の結束を固めるために奉仕することになります。
山羊座は、7度「力のあるベールに隠れた予言者」で、共同体に対する発言力を持つと同時に、共同体への否定的な考えに取りつかれました。
山羊座8度「幸せそうに歌う家の中の鳥」では、そのような考えは捨て、自分の属する社会に適応・順応します。
松村先生は「狭い境遇の中で平凡に生きることに何のてらいもない姿に、他人はその人の善意を感じます」とおっしゃっています。
この度数の方は、自分の属する社会や組織に、完全に適応できる力を持っていると言えます。
水瓶座8度「美しい衣装を着た蝋人形」
この世界との関わり方を「仮想現実化」する
水瓶座は、第一グループ(1度~5度)では、旧社会からドロップアウトし、理想の社会を追求しました。
第二グループ(6度~10度)では、水瓶座らしいグローバルな自分を構築してゆきます。
水瓶座は、6度「ミステリー劇の演技者」で、社会から要求されている役割を演じてきました。
しかし、7度「卵から生まれた子供」では、具体的な人間関係から距離を置き、地上のルーツに縛られない自分を作りました。
水瓶座8度「美しい衣装を着た蝋人形」では、再び社会と関わりを持ちます。
その際、6度「ミステリー劇の演技者」の時とは違い、周りの要求に応じて役割を演じることはしません。
自分自身をバーチャル化して、自由に生きてゆきます。
自分自身を蝋人形=バーチャル化するとは、この世界との関わり方を「仮想現実化」すると言うことです。
そのため、感情をこめたり、感情に走ったりすることはしづらくなります。
松村先生は「この度数の人は、人工的なモデルや仮想試験などによって重要なことの判断材料を得ようとします」とおっしゃってます。
この度数の方は、人生を一つの実験場として仮想現実化し、それによって判断を得ようとするのかもしれません。
魚座8度「ラッパを吹く少女」
自発的に自分をあおり、何か大きな意義のあることに飛び込もうとする
魚座は、第1グループ(1度~5度)で あらゆるこだわりや、価値観の境界線を壊してゆきました。
第2グループ(6度~10度)では、物質が支配すると言う価値観から、目に見えないものが支配するという価値観に逆転が起こります。
魚座は、6度「正装して行進している将校たち」で、何か大きな意義のあることに奉仕したいと思い、魚座7度「岩の上に横たわっている十字架」で、実際にそのような「体験」をし、自分の限界を突破しました。
しかし、それらは国家や宗教など、外の力があってこその体験でした。
魚座8度「ラッパを吹く少女」では、外の力ではなく、自発的に自分を煽り、何か大きな意義のあることに飛び込もうとします。
その場合、自分だけでなく、多くの人を扇動する力もあります。
松村先生は「自分ん感情を煽り、想像的なリアリティーを作り出し、その中に自ら飛び込む」とおっしゃっています。
この度数の人には、理由もなくいきなり興奮する人、興奮できないと気力の出ない人などもいるようです。
まとめ
…と言うわけで、ホロスコープの「8度」は、落差を超越し、今までの自分を超えると言うことになりそうです。

この記事は、松村潔先生の本を参考にさせて頂いてます。
- 度数の意味は「ディグリー占星術」
- サビアンシンボルの意味は「愛蔵版 サビアン占星術」
…がオススメです。
※どちらも占星術「中級者」向けです。

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