占星術は、通常「出生図(ネイタルチャート)」で占います。
しかし、それだけでなく、
- トランジット法
- プログレス法
…という特殊な占い方法もあります。
今回は、プログレスチャートの読み方を解説します。
トランジット法について
まずは、トランジット法についてです。
トランジット法は「実際の天体の運行」を元にして運命を読んでゆく占星術です。
現在のリアルタイムな惑星の動きと出生図を照らし合わせながら占ってゆくわけです。
たとえば、「現在、リアルタイムの土星が出生図の月とコンジャンクションしているから、〇〇な考え方をしやすくなるだろう。」などと読んで行くのがトランジット法です。
プログレス法について
次に、今回解説するプログレス法です。
プログレス法は、ある法則に基づいて「自分のホロスコープ上の星」を進行させます。
その位置関係によって、運命の流れを読んでゆく方法です。
と言われても、初心者の方にはチンプンカンプンですよね(〃´o`)=3
まったくわからねえよ!( ̄□ ̄#)
だいじょうぶです!
本日「プログレスの読み方」を、初心者にもわかりやすく解説します。
出生図と進行図の違い
ところで、出生図(ネイタル・チャート)と進行図(プログレス・チャート)の違いは、どのようなところでしょうか?
その人が元々持っている力は「出生図」で占う

占星術は、まず「出生図」(ネイタル・チャート)を読むのが基本です。
出生図とは、出生年月日を元に作成したその人のベースとなるホロスコープです。
通常はこちらを元に、その人の性格や才能などを読んでゆきます。
出生図の出し方はこちら!
出生図は、あくまで「素材」でしかない!?
出生図は「その人が元々持っている力」…つまり、本人の性格や才能などがわかります。
しかし、
- いつ何が起こるか?
- いつ運勢が上昇するか?
…などの未来予測はできません。
出生図は、あくまでその人が持っている素材を知るものでしかなく、時間や時期を測るものではないからです。
では、運命を未来予測するにはどうすれば良いのでしょうか?
未来予測には「プログレスチャート(進行図)」が必要
西洋占星術では、未来予測をするために「プログレスチャート(進行図)」を用います。
進行図とは、その人の運命がどう展開して行くか?を観るためのホロスコープです。
「宿命的な運命」を表す出生図に加えて、「時間的な運命の流れ」を表す進行図を見る…
これによって、これから起こる未来を予測することが可能になるのです。
未来予測には「進行図」が必要なのです!
「プログレス・チャート(進行図)」とは?
それでは、具体的に「進行図とは何か?」を解説してゆきます。
進行図は「体内時計」!
松村潔先生は「進行図は体内時計」とおっしゃってます。
進行図は、その人の運命の時間的な流れを表します。
とは言っても、それは、万人に共通して起こる「世界情勢的な変化」ではありません。
あくまで本人の中で起こる個人的な変化なのです。
- だんだんと興味の対象が変わってくる
- 目指す方向性が変化してゆく
- 立ち位置が変わってくる
…生きていると、このように、自分の内面が変化して来ますよね?
その変化を表す体内時計、それが「進行図」なのです!
進行図で一番ポピュラーなのは「1日1年法」!
進行図には色々な種類がありますが、一番ポピュラーなものは1日1年法です。
これは「その人の1年後の運勢は、その人が生まれて1日後の星配置を見ればわかる」と言う法則に基づいてます。
実際の進行図を作ってみる

ホロスコープ作成サイト「アストロディーンスト」で、生まれて1年後の進行図を作ってみましょう。
「生まれた次の年」を指定して、進行図を作成します。
(上図の場合、2022年9月5日を指定)
すると、プログレス・デイト(進行の日時)は、生まれ日の1日後になっているのがわかりますね?
数年後の人生を、1日単位のホロスコープに置き換えて占う
初心者の方は「何のこっちゃ?」と思うかもしれませんね…。
わかりやすく言うと、たとえば、
- 30才の運勢は、生まれてから30日後の進行図
- 50才の運勢は、生まれてから50日後の進行図
…に示されることになります。
ですので、30才の運勢を調べたいなら、生まれてから「30日後」の進行図を作る必要があります。
進行図(プログレス法)の「1日1年法」とは、数年後の人生を「1日単位のホロスコープ」に置き換えて占う方法なのです。
いわば、運命の縮図みたいなものを作るわけです。
進行図の出し方はこちら!
進行図では「動きの遅い惑星」は使わない!?

進行図(プログレスチャート)では、たいてい、月、水星、金星、太陽、火星の5天体を使用します。
土星、天王星、海王星、冥王星は、動きが遅いので使いません。
たとえば、冥王星は250日で1度しか動かない
たとえば、冥王星は250日でようやく1度ほどしか動きません。
60才の運勢を調べるために、出生から60日後の進行図を出したとします。
しかし、冥王星は動きが遅いので、出生時の位置とまったく変わっていません。
ですので、未来の意味が読み取れません。
そういうわけで、プログレスでは「動きの遅い惑星」は使わないのです。
進行図で重要なのは「月」と「太陽」!

進行図(プログレスチャート)で、特に重要なのは「月」と「太陽」です。
- 太陽はその人の目標の変化
- 月はその人の具体的な状況の変化
…を表します。
これらの動きを、出生図のサインやハウスと照らし合わせ、未来の状況を読んで行きます。
進行図の「月」の動きによる《具体的な状況の変化》
進行図(プログレスチャート)の「月」が、出生図のどのハウスに来たかで、その人の具体的な状況の変化がわかります。
以下の表をご参照ください。
「進行の月」が入っているハウス | 具体的な状況の変化。 |
---|---|
1ハウス | 新規の計画の始まり。 |
2ハウス | 概念に留まっていた計画を現実化・物質化して行く作業。 |
3ハウス | 具体的に発展させるための技術や知識の習得。 |
4ハウス | 仲間ができる。基盤ができる。 |
5ハウス | 個性化・独創化の模索。 |
6ハウス | 仕事への集中。努力、訓練。 |
7ハウス | チャンス!デビュー! |
8ハウス | 集団活動で力を蓄える。 |
9ハウス | 集団活動で培った力を踏まえた上で、個人の力を解放する。 |
10ハウス | 今までの仕事の頂点化。成果が認められる。 |
11ハウス | ネットワーク化・支局化。弟子の育成など。 |
12ハウス | 今までの活動を分解し、そのエッセンスだけを抜き取り、新しい活動への模索を始める。 |
上記の表は、進行の月を出生図のハウスに当てはめて、「その人の状況がどう変化するか?」を示したものです。
進行の月に関して、くわしくは以下をご覧ください。
進行図の太陽の動きによる《目標の変化》
進行図(プログレスチャート)の太陽は、1日に1度しか進みません。
ですので、あまり動きません。
しかし、とても重要です。
なぜなら進行図の太陽は、その人の目標の変化を表しているからです。
進行の太陽とハウスの関係
たとえば、進行図20日目の人の太陽が8室に入っているとします。
20日目ということは、20才の時の状況を表します。
この人は20才の時、会社や組織に属し、集団の中で自らを鍛えるという目標を持っていると読めるわけです。
そして、進行図50日目の時に、太陽が9室に入るとします。
すると、 50才を境に、今度は、自由に行動範囲を広げ、自分個人の力を開放してゆくなどの目標を持つことになると読めるわけです。
進行の太陽と星座(サイン)の関係
進行の太陽のサインも大事です。
たとえば、魚座だった太陽が牡羊座に入ったとします。
これは、今までの経験を集大成としてまとめる人生(魚座)から、まったく新しいことにチャレンジして行く人生(牡羊座)に、目標が変化したことになります。
進行の太陽はサイン・ハウス・アスペクトを見ながら読んでゆく
このように、進行図(プログレスチャート)では、太陽のハウスやサインによって目標の変化がわかります。
また、「進行図の太陽」と「出生図の惑星」のアスペクトなども重要になります。
進行図は、サイン・ハウス・アスペクトを見ながら読んでゆく必要があるのです。
くわしくは、以下をご覧ください。
まとめ
今回は、占星術の「進行図(プログレスチャート)」とは何か?その読み方を解説しました。
プログレス法って、初心者にはなかなかわかりにくいですよね?
ですが、使いこなせると「未来の状況」がわかるので、とても便利ですよ。
くわしくは、松村先生の「完全マスター西洋占星術」を参考にしてみてくださいね。