月は、その人が持ってる「そもそもの性質」です。ですので、自分の月星座のまま生きていればとてもラクです。
しかし、月には人を快適な状態に留まらせる傾向があり、さらなる成長が止まってしまう場合もあります。
それだけではありません。月星座がもたらす性質は「長所ではなく短所が出やすい」という説があるのです。
それが、月の欠損説です。
本日は、占星術の月がもたらす欠損について解説します。

月は欠損を表す?
日本の西洋占星術家には、大御所マドモアゼル愛先生がいます。
マドモアゼル愛先生は、月は欠損とおっしゃってます。まず、その説を確認してみましょう。
マドモアゼル愛先生の「月は欠損」説
マドモアゼル愛先生は、月の教科書: 占星術が誤解していた、この星の真相の中で、
- 月は7歳までの頃の純真な思いであり、それ以上は発展しない能力
- なので、その人の「性格」や「能力」を表してはいない
- むしろ、欠損しているものを表している
…とおっしゃってます。
なので、月が示すものに従って生きていると、ことごとく失敗するということです。
そもそも月は「欠落しているもの」を表しているのに、人はそれを「本当の自分らしさ」と勘違いしてしまう。
幻想である月に囚われると、ほんとうはなんの根拠もない自分にこだわるので、たいてい失敗する。
月は常に「不完全感」や「至らなさ」を与えるように働く。
至らない部分を常に刺激されるから、いつしか自分はダメな存在であり、月が表す欠損を埋めることこそが人生であるかのような錯覚に陥る。
月は7歳までの頃の純真な思いであり、それ以上は発展しない能力。
幼少時代の印象から、それがあたかも自分が得意であるかのように、また、それが本当の自分であるように見せる。
その錯覚に気づかぬまま、叶わぬ自分像を追いかけて、多くの人が疲れ果てる。
・・・このようにマドモアゼル愛先生は主張されてます。

だから「月並み」という言葉があるという話でした。
ただし、月が持つ「潜在パワー」はすごいものがある
ただし、良い点としては、月はその人に魅力や人気を与えると、先生はおっしゃってます。
月には、幼少の頃の「純粋な思い」があることは確かです。
なので、その純粋さが魅力や人気につながるというわけです。
そして、この記事の最後に述べますが、月には「人類の集合意識」に訴える力がある…ともおっしゃってます。
ですので、月の持つ潜在パワーはすごいものになるということです。
月の欠損説→「当たらない!or 当たってる!」賛否両論


月の欠損説は、占星術業界でも賛否両論が噴出しました。
「当たらない!」「いや、当たってる!」…大きな議論を巻き起こしました。
そして、未だに結論はでていません。
私も、マドモアゼル愛先生の「月の教科書: 占星術が誤解していた、この星の真相」を熟読しました。
そして、自分の経験と照らし合わせてみました。
その結果「かなり思い当たることがあるな~」と思ったんです。
なので、当サイトではある程度、月星座の欠損説を取り入れています。
松村潔先生が書かれている「月がもたらすデメリット」
こちらも占星術の大御所、松村潔先生も月のデメリットについて指摘されています。
では、松村先生の「月星座占星術入門」を参考に、月がもたらすデメリットをまとめてみます。
1.怠惰
月はその人が元々持っている性質です。ですので、月がもたらす気分のままで生きていると、とてもラクです。
ですが、それでは人間は成長しません。
ただ、ボーッと機械的に動いているだけで「新たなチャレンジ」や「努力」をしなくなってしまいます。
月のままに生きていると、怠惰になってしまうのです。
2.不安定な気分を作り出す
月は約28日で12サインを一周します。とても動きが早いです。
ですので、約2日ほどで、めまぐるしく気分が変化することになります。
一昨日は射手座の「イケイケな気分」だったのに、今日は山羊座の「慎重な気分」になったりするのですね。
3.個人的感情にとらわれる
月は地球の周りを回っています。
ですので、太陽やほかの惑星にはあまり意識がゆきません。地球だけを見ているのです。
そのため、個人的な感情にとらわれ、狭量になりやすいです。
太陽の持つ人生目標にはあまり興味がなく、「身近なこと」「日常的なこと」に振り回されやすいのです。
4.好みに激しい偏りを作り、狭い人格になる
月は他の惑星のエネルギーを受けとり、その影響を人間に落とし込む役割があります。
ですが、地球には月は一つしかありません。なので「一つの好み」にとらわれてしまうようになります。
そのため、自分が嫌いなものに関しては、まったく理解しようとしない狭い人格を作り出してしまうのです。
ちなみに、土星には月(衛星)が64個もあるそうです。
松村先生は
- 月が7つあれば感受性がもっと豊かになる。
- だが、一つしかない月のもとでは、感受性が単調なものになる。
…とおっしゃってます。
事例:天秤座の月の欠損
以上のように、占星術業界の大御所二人が「月がもたらす欠点」を指摘しています。
では、やはり「月は欠損」なのでしょうか?私自身の月星座を例にして考えてみます。
私の月は天秤座です。この場合の欠損はどうなるのでしょうか?
バランスにこだわりすぎて、動けない
天秤座は、その場の空気を読んで、バランス良く動けると言われています。
ですが、私はバランスにこだわりすぎて、思い切ったことができないことが多いです。
たとえば、「こうしたら、この人はどう思うだろう?」などが気にかかり、まったく動けないということもあります。
人間関係がいつまでたっても未熟なまま
自分に当てはめてみると「月がマイナスに働いている」という説はとても納得できます。
ほんとうに天秤座を使いこなしてるなら、状況を的確に判断し、もっと積極的に動けるはずです。
ですが、私はそうではありません。
なまじ、場の空気や人の気持ちを察するだけに、人間関係がいつまでたっても未熟なままになってると感じます。
ですので、月欠損説はとても説得力があるな~と思ってしまうのです。


月は未熟なもの、やはり注意が必要
占星術業界に論争を巻き起こした「月は欠損」説・・・私は一理あると感じます。
ですが、もちろん、月はデメリットだけをもたらすわけではありません。
いちばん「ほっ」とできる素の自分をもたらしてくれるメリットもあります。
その性質が「そのまま社会に通用する」とは考えない方が良い
しかし、それは未熟なままの性質であり、とても個人的な性質です。
ですので、その性質が「そのまま社会に通用する」とは考えない方が良さそうです。
以下の点に注意
月に関しては、以下の点に注意しましょう。
- ほんとうは「社会性」がないから、それにとらわれると失敗する
- なんの「根拠」も「力」もないのに、能力があると思うから失敗する
- むしろ「弱点」であるのに、強みであると勘違いしてるから失敗する
- どんな特性も「内向き」に発揮するので、ネガティブになりやすい
「月の使い方」はどうすれば良い?


色々と、月に関してネガティブなことを書いてきました。
しかし、実際に、私たちのホロスコープには月があります。月とは一生涯つきあってゆかなければならないのです。
では、どのように「月」と向き合ってゆけば良いのでしょうか?
月の純粋な思いを、世界全体のために役立てること
マドモアゼル愛先生は
- 月は人の「集合意識」に訴えかける力がある
- 月の力を個人の欲望に使うと失敗する
- 月の純粋な思いを「人類全体に対する祈り」として使うと道が開ける
・・・とおっしゃっています。
- 月は、自分の「子供の頃の思い」を表す。なので、ほんとうは社会性もないし、能力もない。
- だが、その気持ちはピュアであるだけに「人類の潜在意識」に働きかけることができる。人類全体を動かすことができる。
- 大衆(人々)を動かせるのは「子供の純粋な思い」だけ!
- そういう意味で、月の力はほんとうに偉大。このピュアな想いを、いかに世界全体のために役立てるかが重要。
・・・ということです。
この動画を見ると、先生の真意がわかります。
月の純粋な思いを、自分のエゴの実現ではなく「世界全体のため」に役立てること。
それが大切なんですね~。
12サイン別「月星座の欠損」一覧
ちなみに、星座別「月星座の欠損」の一覧を作りました。
12サイン(月星座)の性格や気質を「欠損」という観点から確認してみましょう。
そうすれば、自分の弱点を克服しやすいかもしれませんよ。
こちらからご覧ください。


まとめ
本日は、占星術界に議論を巻き起こした月は欠損説について解説しました。
「月が欠損」というのは、とても納得できる話です。
そもそも、月は人工天体という説もあるくらいです。もしかしたら、ほんとうは実体などないのかもしれません。
ですが、私たちは月とつきあってゆかなければなりません。
では、どうすれば良いのか?
今回、自分なりに理解できたことは、以下です。
- 自分の月星座や月のハウスは「未熟な部分」としてとらえる視点が必要。
- しかし、なにより、月は「子供のような想い」を秘めている。
- その一人一人の想いを「純粋なまま」保ち続ければ、人類全体の潜在意識を変えることができる。
- なぜなら、大衆(人々)を動かせるのは「子供の純粋な思い」だけだから!
せっかくの月星座ですからポジティブに使ってゆきたいですよね?そのためにも、この視点はとても大切だと思いました。
月の力を「個人の能力」としてではなく、「人類全体の幸せのための純粋な祈り」として使う!
いまだ、人類は未熟です。
ですが、私たち一人一人が自分の「月の欠損」を認識すれば、人類全体が変わるかもしれないですね。
コメント
コメント一覧 (2件)
目からうろこが何枚も落ちました。
【月】の欠損
牡牛座月ですが、お金を一番に考えてきたことでことごとく失敗しまくりでした。
金星の支配する食の牡牛座をそのまま使っていたため肥満です。これも失敗例です。
ゆえに、土星を使うことをことごとく避けてきた人生だったため、自信もないしモノになったものもない。
魔女っ子さんのサイト、しばし、こちらでお勉強させてもらいます。
今まで見えなかったことや疑問が一気に解決しそうです。
占いをすべてと思って生きてはいません。
私には三つ子を育てた経験上、生年月日占いというのはあくまでも参考です。
参考になる点もあり、子どもの気質を理解したうえで許容範囲を広げた子育てをしたことや
この子はこれでいいんだなぁと、自分との違いを理解してあげてきたことに対しては良い子育てができたと自負できます。
が、自分をおろそかにしすぎてたなぁと、やはり、月の未熟さを痛感しています。
ためになることがたくさんの魔女っ子さんのこのサイト、簡潔でわかりやすく書かれてあり
言葉の選び方、イラスト、書式などなど、私が素直に受け取れるので大変ありがたいです。
コメントありがとうございます。
当サイトが参考になりましたら、とても嬉しいです。
もちろん占星術で、すべてがわかるわけではありません。
ですが、自分の生き方を模索するための「多くのヒント」が散りばめられていると、私も実感しています。
(月の弱点だったり…)
でも、それらをひっくるめて、明るく前向きに活用できたらイイですよね(,,>᎑<,,)